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空中写真測量とは、航空機を使用し上空から写真を撮影してその写真を元に広範囲の地図を作る測量です。
空中写真には、水準器・時計・高度計・焦点距離の数値が載っていて撮影状態がわかるようになっています。
現在では空中写真がデジタル画像となり、デジタルステレオ図化機を使用して行う作業へと移行して
います。これにより図化作業で行う各種データを円滑に他の用途へと用いることが可能となり、GIS等
などに活用されています。
空中写真測量により、地形・地物等の地図情報をデジタル形式で測定し、数値地形図情報を構築して数値地形図データファイルを作成します。
■撮影(直接定位撮影)
GNSS/IMUシステムと航空機カメラにより撮影・解析を行います。
GNSSにより撮影時のカメラの位置を取得。IMU(慣性計測装置)でカメラの傾きを取得します。
IMU/レコーダ/GNSS
左からIMU(慣性計測装置)、レコーダ、GNSS(衛星測位システム)となります。
右図のように航空機に搭載されたカメラの位置、傾きを取得し、
これをデジタルデータとしてレコーダが情報を記録。撮影されたデータを組み合わせる形となります。
■同時調整(空中三角測量)
デジタルステレオ図化機により写真座標を測定し、GNSS/IMU装置で得られた外部標定要素と調整計算を行い、各写真に水平位置及び標高を定めます。(パスポイント・タイポイント等)
■数値図化
空中写真と同時調整(空中三角測量)等の成果を使用して、デジタルステレオ図化機を用いて地形・地物等の座標を取得し、数値図化データを作成します。
■数値編集・数値補測編集・数値地形図データファイル
図化編集装置を用いて数値図化データを編集し、現地調査等の情報を盛り込み編集済データを作成します。
最終的に現地補測によって補測された情報を盛り込んで補測編集済データの作成となります。
補測編集済データより数値地形図データファイルを作成します。
レベル2500地形図
3次元地形図
3次元地形モデル
レベル1000地形図
3次元地形図
3次元地形モデル
電子地図上における地理空間情報の位置を決めるための 基準となる位置情報を整備します。(基盤地図情報の項目)
地理空間情報は、運用する国や地方公共団体、民間事業者等のそれぞれの目的に応じて一定の精度を確保して整備していますが、精度範囲の中で誤差(ずれ)が生じます。この誤差は複数の地理空間情報が隣接する場合などに影響が出る場合があり面や線の接っする場所=接合箇所が微妙にずれてしまう場合があります。
これを防ぐために地理空間情報を整備する際に共通の位置基準を用いることが必要となり、これを整備することにより地理空間情報を効率的に利用することが可能となります。
基盤地図情報の項目 | ||
①測量の基準点 |
⑧軌道の中心線 | |
②海岸線 |
⑨標高点 | |
③公共施設の境界線(道路区域界) | ⑩水涯線 | |
④公共施設の境界線(河川区域界) | ⑪建築物の外周線 | |
⑤行政区画の境界線及び代表点 | ⑫市町村の町若しくは字の境界線及び代表点 | |
⑥道路縁 | ⑬街区の境界線及び代表点 | |
⑦河川堤防の表法肩の法線 |
基盤地図情報項目を含む測量成果は、都市計画基図・道路台帳図・基準点成果表・1/25,000地形図・水路測量標記事・河川基盤地図などがあります。
■デジタルオルソとは
従来までのオルソ写真図が正射投影機を用いて機械的に空中写真を正射投影することで写真の歪みを補正、フィルムや印画紙に焼き付けたものであるのに対して、デジタルオルソは数値化した空中写真の各画素を外部評定要素・数値地形モデルを用いて正射位置に再配列したものです。
この再配列を正射変換といい、空中写真の中心投影や標高による水平位置のズレを数値地形モデルを用いて取り除いています。
左図が単純に撮影した場合の「中心投影」。右が「正射投影」を行った場合のイメージ画像です。
「中心投影」の場合レンズ中心位置の高さには問題ありませんが、構造上撮影範囲の外側に近づくほど歪みが大きくなります。
「正射投影」はこれを補正したものとなります。
~国土地理院資料「デジタルオルソ作成の空中測量作業マニュアルより抜粋・引用~
オルソ写真
TINモデル
重ね図(1)
重ね図(2)
■デジタル航空カメラの性能について
従来のカメラに比べて1枚あたりの視野が狭い為にフィルム航空測量カメラと比較して撮影枚数が増加します。
撮影1/10,000の場合の撮影面積
フイルム航空カメラ(RC-30) 2.11km×2.11km≒4.45k㎡
デジタル航空カメラ(DMC) 0.93km×1.66km≒1.55k㎡ (カメラの種類によっては異なる)
約3倍近く異なります。
画像サイズ
フイルム航空カメラ 230mm×230mm (RC-30)
デジタル航空カメラ 165.9mm×92.2mm (DMC) or 103.5mm×67.5mm (UCD) 等
※DMC:Digital Mapping Camera / UCD:UltraCamD
デジタル化により撮影後の現像及びスキャニングの工程がなくなり、最終成果までの一連の作業を効率化できます。
■衛星画像を用いた地形図作成
リモートセンシング衛星などの人工衛星に搭載されるセンサーの観測データを用いて地形図の作成を行います。
利用するためには髙分解能衛星が必要です。
(求められる性能は、可視光域、近赤外域のセンサを搭載して、地表面分解能が数十cm~2.5m程度)
代表的な衛星としては以下があげられます。
IKONOS(米国)・QuickBird(米国)・GeoEye-1(米国)・WorldView-1,2(米国)・ALOS(日本:新規撮影不可) 等
これら衛星より取得した画像、空中三角測量成果を用いてデジタルステレオ図化機にて等高線・地物のデータを取得・作成します。
この作業にはステレオ画像とRPCデータが必要ですが、航空写真とは違った可能性があると言えるでしょう。
■航空レーザ測量
航空機に搭載したレーザスキャナから地上に向けてレーザを照射。このレーザの反射を捉えて、時間差より得られる地上までの距離と、GNSS/IMUから得られる航空機の位置情報を用いて地上の標高や形状を調べる方法です。航空レーザ測距装置にはカメラがついているため地表の画像も同時に取得することができます。
樹木等の最初に反射してくる光をファーストパルスといい、地表面で最後に反射するものをラストパルスといいます。その間で反射するものをアザーパルスといいます。
葉が密に茂るところでは、レーザ光が地上に達しない場合もあり、地面の高さのデータは取得できません。
航空レーザ測量で直接得られる高さのデータは、建物や樹木の高さを含んでいます。
このデータより作成した地表モデルを数値表層モデル(DSM…Digital Surface Model)といいます。
一般地図のように地表の高さを示すために、建物や樹木の高さを取り除くことが必要で、この作業をフィルタリングといいます。
フィルタリングを行って得た地表面だけの高さデータで作成する地表モデルを数値標高モデル(DEM…Digital Elevation Model)といいます。
☆オリジナルデータ : 調整用基準点を用いて三次元計測データの点検調整を行った標高データ
グラウンドデータ : オリジナルデータからフィルタリングした標高データ
グリッドデータ : グラウンドデータを必要に応じた任意のグリッド単位に整理した数値標高モデル(DEM)
■「車載レーザ測量」(モバイルマッピング)
自動車にGNSS受信機・レーザスキャナ・IMU・デジタルカメラ・オドメータ(走行距離計)等を搭載して移動しながら測量対象物の三次元位置情報を取得(道路現況と周辺を計測)して地図データを作成します。
[利用分野]
① 道路台帳等公共測量。地物計測(電柱、標識等)
② 法面、3次元景観等(3D都市モデル作成)
③ トンネル壁面、路面(段差、クラック、漏水情報)、電柱・電線
[特徴]
① 測位演算ソフト等大部分がメーカー独自の開発品です。
② 応用センサの搭載、システム設計が可能です。
③ 後処理ソフトも自動化されているものが多いです。
[種類]
MMS:Mobil Mapping System (三菱電機モービルマッピングシステム)
高精度GPS移動計測装置:移動式高精度3次元計測システム
STREET MAPPER(ストリートマッパー)
3Dレーザーマッピング 3次元移動体計測システム