GIS (地理情報システム) とは地図と様々な情報の位置を関連付けることにより視覚的に把握することを可能とします。
これにより、たとえばハザードマップの対象エリア内に住む住民情報の確認、上下水道情報の埋設情報の確認などが容易に行えるなど、GIS導入がもたらすことによる恩恵は大きいものといえます。
弊社ではGISの誕生ともに開発した情報システム「ULIS」により、現在に至るまで様々な業務にGISを活用するべく各種システムを開発・提供しております。
ULISは基本コンポーネント+各業務特化機能+客先ニーズに対応した各種機能により構成され、各種バリエーション展開しています。
■基本コンポーネント
基本コンポ―ネントは直観的で分かりやすい画面構成・インターフェイスを基本とし、操作を取得されたユーザーはマウスによる 簡単な操作が可能です。
基本画面
地形図・要素など各種重ね図表示が可能です。
航空写真+色塗図
属性に基づき色塗を画面上に重ねることが可能です。
システム名 | 主な対応機能 | システム名 | 主な対応機能 |
地籍情報管理システム |
地籍情報の管理・閲覧に対応 地籍図・一筆図等各種出力 筆図形異動修正機能 異動履歴管理・資料管理 |
固定資産管理システム | 固定資産情報の管理に対応 土地・家屋・画地管理機能 各種図面出力に対応 |
上水道情報管理システム | 水道情報の管理・閲覧に対応 断水箇所・影響確認 既存資料のファイリング機能 弁栓位置GNSS連動 各種図面出力に対応 |
下水道情報管理システム | 下水道情報の管理・閲覧に対応 既存資料のファイリング機能 各種図面出力機能 |
農業情報管理システム | 農地基本台帳の管理に対応 議案作成・添付図作成支援 各種属性・任意色塗機能 各種書類等作成支援機能 |
農振情報管理システム | 農振農用地情報管理 農用地図形作成・修正機能 添付資料・図面作成支援 各種図面出力に対応 |
都市計画管理システム | 各種都市計画図面の重ね 道路調書検索・出力機能 各種図面出力に対応 |
道路情報管理システム | 道路台帳図・調書管理に対応 既存図面の電子管理可能 既存調書のファイリング機能 各種図面出力に対応 |
森林情報管理システム | 林小班情報参照可能 GNSS機器との連動機能 作図・添付図面作成機能 各種図面出力に対応 |
福祉地図支援システム | 要援護者情報の維持管理 避難施設情報の管理 見守り情報の管理等各種管理 各種図面出力に対応 |
地籍情報管理システムでは地籍フォーマット2000形式に完全対応し、詳細情報・一筆図の出力などの他にも、各種地籍図・集成図の出力の他、筆移動履歴の管理など地籍業務に係る各種情報・図面・資料のファイリング管理も可能にしています。
水道情報管理システムでは管渠・給水管・量水器・需要家の基本情報の他にも、断水箇所を指示するこによる影響箇所を図上に表示するシミュレーション機能があります。
GNSS機器と連動し現地での位置確認なども可能になっています。
農振情報管理システムでは農振範囲・農用地用途情報を図形で管理します。
これにより、1筆内で複数農用地用途がある場合でも視覚的に把握するだけでなく、この作成した図形面積を用いて農用地用途集計を可能にします。
福祉地図支援システムでは世帯・構成員情報を視覚的に把握するだけでなく見守り支援・避難時に重要な要援護者情報など様々な情報をユーザーサイドで柔軟に管理するタグ機能などを備えており、避難施設などの情報も合わせて管理することにより避難計画などの立案支援などを可能にします。
上記の豊富なバリエーションを構成する各システムは以下の特徴が挙げられます。
■各業務特化機能+客先ニーズに対応した各種機能
○窓口業務向けの操作メニュー
窓口業務が行われる部署向けのシステムでは、システム画面からただちに必要な操作を行える メニュー構成としています。
○各業務向けの作業メニュー
業務特有のデータ分析・調書作成・図面作成など、特化した操作についてもステップ順により操作することで容易に行うことが可能です。以下の表はシステム別特殊機能例となっています。
システム名 | 各特殊機能(一部) |
地籍情報管理システム | 窓口業務支援・地籍図/集成図等各種図面出力、調書出力 地籍成果資料ファイリング機能 |
固定資産管理システム | 異動処理(分合筆・家屋作図修正)機能 画地評価額判定支援 |
上水道情報管理システム | 各種集計機能・断水検索・シミュレーション機能 各種資料ファイリング機能 |
森林情報管理システム | 各種森林業務図面・調書作成支援、出力機能。 GNSS観測機材取得データによる作図支援。 |
このように、あくまでユーザー本位に機能操作が可能な形としています。
■携帯端末との連携による新たなサービスへ
現在、携帯端末などの普及にともない、GISの運用スタイルも大きく変貌をとげています。
ULISではモバイルGNSS機器 (携帯可能なGNSS端末) との間で、データの相互利用を可能にしています。
この他、スマートフォン、タブレットとの連携などによるサービスも提供しています
■GNSS機器との連動例
ここでは森林地図情報システムを例にご説明します。
ULIS森林地図情報システム → GNSS端末
画像ツールにより作業範囲の等高線など地物情報の入ったデータを転送します。これにより現地にてGNSS座標データにより現在位置の確認などのナビゲーション、状況確認が容易となります。
GNSS端末 → ULIS森林地図情報システム
現地にて取得したGNSS座標データを元にシステム上に展開。これを元に各種造林範囲情報などを作成します。
この作成したデータにより造林実測図などの作成が可能です。
■ULIS統合型GISモデル、「J-ULIS」
総務省が定める「統合型GISに関する指針及び仕様」に基づく共用空間データ16項目の整備、及び、国土地理院が提唱するJPGIS(地理情報標準プロファイル)に基づき、統合型GISに必要なデータ構成とサービスを提供します。
■データ作成
アナログからデジタルへの単純なデータ化ではなく、レイヤー別・属性別管理も同時に行い作成します。
後々のシステム導入、拡充などULIS各種システムにもっとも適したデータ作成を行います。
また、データだけではなく各種図面の出力作業も行っています。
■データ作成の一例です。
紙図面(左上)をスキャン。PC上でトレースするように作成します(右上)。
この際、今後のデータ運用に必要であると考えられる精度、構成の仕様を事前に作成します。
また図形だけではなく関連付け(紐付け)される属性情報もこの段階で作成します。
これにより図形+属性のデータが構築され、左図のように参照することが可能となります。
大判プロッタ機器■大判出力
デジタルデータ化が基本であっても、現在も紙図面は必要です。納品物となる最終成果品の図面だけはではなく
データ作成時における数次にわたる点検作業など様々な場面・様々な用途に応じた図面出力を行い、最終的な成果品出力など作成に役立てます。
■ファイリング化
工事資料・簿冊など重要な書類が保管場所の問題などから簡単に探すことができない。あるいは長い年月の間に散逸してしまうケースが多々見受けられます。
このようなことに備えて、重要な書類や図面をスキャニング(画像データ化)、分類(インデックス化)し、メディアに保管することで保管場所の省スペース化、データの散逸化を防ぐだけでなく、簡易的な検索方法を準備するファイリング作業を行うことで、誰もが見たいときに見るという利便性の向上が可能になります。
上図が作業工程例となります。
① 既存図面・資料の確認、分類作業を行います。
② スキャニング作業を行います。A0対応のスキャナなどを用いて原資料を画像データ化します。
③ インデックス作業を行います。検索しやすく分類・名前を定義づけ、今後の拡張も考慮します。
④ メディアに格納します。閲覧はブラウザなどを行うためどのPCでも閲覧可能となります。
これら作成されたデータは大容量のものとなりますが、最近はHDD、BD、DVDなど記憶媒体は大容量化・低価格化が進んでおり、従来に比べると構築が容易なものとなっています。
このように構築されたファイリングデータを生かして、現在、あるいは将来導入を計画しているULIS各システムで運用するデータについて関連付けも可能となります。
■ファイリング化業務事例
(1) 長年の工事資料図面が大量にあり必要な際に見つからないという問題がありました。
(2) 弊社提案のもと、ファイリング化作業を行うことを決定。大量にあるため
数年度にわけて図面の整理とスキャニングを行う作業からスタートしました。
(3) スキャニングしたデータを検索・閲覧しやすいようにインデックス化作業を行いました。
これによりどのPCでも簡単な検索・表示を行えることが可能になりました。
(4) ファイリング化・分類したスキャニングデータを基にデジタルデータとして入力を行い、
GIS用図形データ及び属性データ化を行いました。
(5) 弊社GIS ULIS を導入。システム上から参照したい過去の工事資料を表示・印刷できる
ことが可能になりました。
上記のように段階的に行えるスキャニング作業を行い、状況を把握しつつつデータを段階的に構築する一方で、最終的なGIS導入が可能になりました。
弊社ではこのように皆様のおかれている現状、ご要望に合わせて各種業務をご提案させていただいております。
■調書作成及びDB作成
従来の道路台帳などの調書類のほか、新規調書など作成にあたり、基礎データを収集、DB(データベース)化するなど、調書作成に必要な各種作業を行います。
これらのDBを用いて調書出力を行うだけではなく、ULISのデータとして表示・出力等の利用も可能となります。